甲子園 明石商業vs履正社 準決勝
本当は明石商業の勝ち上がった試合を全てまとめようと思いましたが、3回戦と準々決勝の録画がテレビの不都合でできておらず、見逃してしまいました。
なので一気に飛んで準決勝をまとめていきます。
とうとうここまできました、明石商業。
公立高校にも関わらず素晴らしい快進撃です。
そんな準決勝の対戦相手は大阪代表の履正社高校です。
結果は7対1で履正社高校の勝利です。
明石商業の快進撃もここまででした。
今回はどこが敗因に繋がったのかを書いていきたいと思います。
前回書いた花咲徳栄戦も読んでもらえれば理解も深くなります。
序盤
明石商業の先発はここまで温存していた2年生エースの中森くんです。
強打の履正社にどこまで通用するのかが楽しみでした。
その楽しみとは裏腹に初回から履正社打線に捕まります。
先頭打者からいきなりスリーベースヒットを打たれると続く打者にもタイムリーを許し
いきなり先制点を奪われます。
その後も履正社打線が手を緩めることもなく打者一巡の猛攻で初回に4点を奪われます。
ここにきて中森くんの立ち上がりの悪さがはっきりと出てしまいました。
投球を見ていてもこれまでの中森くんらしさがなかったですね。
変化球が多く少し置きにいく球が多かったのではという印象です。
いきなりリードを許す形となった明石商業ですが、打線もこのままでは終わりません。
先頭打者の来田くん。追い込まれながらバックスクリーンへ運ぶ先頭打者本塁打を放ちます。
さすがの一言に尽きます。お手本のような打撃でした。
これでスコアは4対1としますが、後続が続かず1点止まりです。
これで目が覚めたのか中森くん。2回からはストレートを中心に履正社打線をねじ伏せていきます。
ピンチを迎えても動じず3回まで0点で抑え味方の反撃を待ちます。
反撃したい明石商業打線ですが、1点が遠い展開となり思うように試合運びができず序盤は履正社ペースで終わります。
中森投手は3回で60球を超えており、このままでしたら継投も頭に入れなければいけないです。
それほどまでに初回の失点は悔いが残りますね。
中盤
中盤に入り中森くんも本来の調子を取り戻してきます。
ストレートの球威も徐々に上がっており、会場もどよめきます。
2年生ながらこの貫禄は将来が楽しみですね。
4回もランナーを背負う投球でしたが粘り強く投げここも0点で抑えます。
続く5回にまたもや履正社打線に捕まります。
カウントを取りに行く変化球を狙われ1点を失い5対1となります。
ですがここは最少失点の1点で抑えます。
ここが中森くんの良さでもありますよね。失点をしても1点に抑えるところが素晴らしい。
これこそが明石商業がここまで勝ち上がって来れた要因の1つではないでしょうか。
となればここから反撃したい明石商業ですが、相手投手の攻略の糸口が見つからず、0点で6回までの攻撃を終えます。
これまでの戦い方からこの中盤で1点でも差を縮めれなかったのは結構痛いと感じましたね。
攻め方が単調になっていたのがすごく気になりました。
確かに狙い球を絞って打ってるのはすごくわかりますが、それが逆に仇となって簡単にアウトになっているなと思いましたね。
例えば足が速い選手はセーフティバントをやってみたり、パワーのある打者はバットに当たらなくてもフルスイングをして投手に嫌なイメージを植え付けたりと、
やり方はいっぱいあったはずです。
結果論になりますが1点が欲しい時ほど攻め方に変化をつける方が相手からしても嫌だったと思います。
(結果論なんでなんでも言っちゃえばいい感は嫌なんですがね、、笑)
と、中盤も履正社が主導権を譲ることなく5対1で試合は終盤を迎えます。
明石商業としては失点はここで食い止めなんとか1点ずつでもいいから返して欲しいところです。
中森くんの球数も100球近くなっているのも気になりますね。
終盤
終盤になり普通の投手なら疲れが見え始めるのですが、中森くんは逆にエンジンがかかってきたのか、ストレートの球威が増しているように見えます。
履正社の打者も降り遅れてたり、打ち返したとしても詰まったりと本来の中森くんのと球ができてました。
またこの日よく投げていたのがチェンジアップなのですが、このストレートとの緩急差が素晴らしかったですね。
投げるタイミングも掴んできており、これからもっと磨いて欲しいです。
肘や肩に負担が掛からない変化球なので怪我防止にもつながります。
なんとか1点でも多く欲しい明石商業ですが、チャンスを作るもあと一打が出ず攻めあぐねている状況です。
何かこう、意外性というか大胆な攻め方をしても面白いかなと思ったのですが。
今までも自分たちの野球で勝ってきたからここにきて攻め方を変えるのにもリスクはつきものですけど。
8回までは両チームとも0点で迎えイニングはとうとう最終回を迎えます。
明石商業はここでエースの中森くんをベンチに下げます。
がこれが悪手となり、追加点を取られます。
これでスコアは7対1となり試合を決定づける点が入ってしまいます。
やはりリリーフは難しいですね。使う監督もそれに応える選手もどちらにも言えます。
継投策は投手にとっては負担が軽くなるのですが、1つでも交代のタイミングを間違えれば後手後手に回ってしまうリスクもあります。
監督としてもここは1点も取られず最後の攻撃につなげたかったところですがそう簡単には物事は進みませんね。
明石商業の最終回の攻撃はランナーを出すも後続が打ち取られ7対1で試合終了。
ベスト4の成績で甲子園を去ります。
全体の総括
試合結果は7対1と一方的な展開と見受け取れるが内容自体は明石商業も悪くなかったです。
先発の中森くんも立ち上がりは良くなかったもののそれ以降は粘り強く投げてくれてました。
中森くん自身も立ち上がりが課題というのは1番わかっていると思う。
まだ来年もあるのでまたレベルアップした投球を見せて欲しいです。
攻撃の面での課題が多いと感じました。
先頭打者の来田くんは1人奮闘していましたが野球はチームスポーツ。
あとが続かなければ点が入らないことを痛感したのではないでしょうか。
今後はどんな状況でも点が取れる野球を目指して欲しいですね。
方法はいくらでもあります。
チームの特色を生かした攻撃パターンを作って欲しいです。
守備の面ではよく鍛えられている印象は変わりません。
失点されたのも履正社の打線が良かっただけのこと。
エラーも非常に少なくチーム全体でシフトの連動ができていたと感じました。
最後に明石商業の選手・監督・保護者の方、お疲れ様でした。
私が言えたことではないですが、いいチームでした。
来年は中森くん・来田くんを中心にまた甲子園で見れるのを楽しみにしています。
本当に明石商業、素晴らしい野球をありがとうございました!